17の瞳
2月9日のミュージックファクトリーさんでのフレンチトーストライブが無事終了しました。
少年ドラマーのひかる君が、ライブハウスデビューを果たしたというめでたい記念日になりました。
ひかる君と一緒にステージに立てたことを、とても嬉しく思っています。
ひかる君は今17歳という若さですが、僕が17歳だった頃のことをふと思い出しています。
高校に通いながら自分の将来に大きな希望を抱き、それでも現実の自分というものはとてもちっぽけで無力な存在に思えていた、そんな青春時代を思い出します。
音楽に夢中で、オリジナル曲を本格的に作り始めたのが、丁度今のひかる君の歳の頃のことでした。
なので、僕は17歳くらいの若者には特別な思いを持っているのかもしれません。
ひかる君を見ていると昔の自分の姿に重なる部分もあるような気がします。
男の子は特に社会に出て闘わなくてはならない状況があったと思いますし、当時の僕は一人前の男になる道はなかなか険しく大変な道のりだと感じていたように思います。
24時間闘えますかというキャッチコピーのCMが流れ、バブルの熱に社会全体が侵されていたような時代だったと思います。
企業戦士として眠る間もなく働くことを美徳としたような状況があったように思います。
現代は、家庭を守り子育てをするマイホームパパの存在等も社会的にクローズアップされていて、ライフスタイルが大きく異なって来ているような気がします。
そんな時代の中で育まれて来たひかる君は、繊細な女性性とワイルドな男性性を上手く持ち合わせたマインドが育っているのかもしれません。
女性的な感性を男性が持ち合わせることは、とても素敵なことだと思います。
力による支配ではなく、協調性によって社会の秩序を誰にとっても横並びに築き上げようとするような思いを持っている姿を見ているような気持ちになります。
平等というのは一体どういうことであるのかを深く掘り下げて議論をすると、奥が深くて難しい話になるのかもしれません。
なので横並びという言葉には、使い方にとても難しさを感じます。
それぞれの置かれた立場から見える風景は違っている筈ですし、その人その人の置かれている情況や性格までも含めたマルチな平等感を伴った、成熟した社会のムードが求められるテーマなのかなという気がします。
フレンチトーストの音楽の世界で僕が表現して行きたいのはまさにそんな世界観なので、ひかる君がドラマーを務めてくれるのは相性がいいのかもしれないなと思いました。
ひかる君との街のライブハウスでのフレンチトーストライブは最高に楽しいものとなりました。
去年の秋から本格的にライブを始めて、自分の周囲にいる人に声を掛けてライブを聴きに来て頂きました。
繰り返しライブを聴きに来て下さる方が現れて、お客さんが来てくれるだろうかというライブを始める前に抱えていた不安が段々小さくなって行きました。
僕は社会に心を閉ざして生きて来たように思います。
社会が悪いからという訳ではなく、自分を余りにも見失ってしまっていた僕は自分の感性を社会生活の営みの中で他人と調和させながら分かち合うということがまるで出来ない人間になってしまっていたのです。
そんな孤独な僕を救ってくれたのが僕の音楽でした。
真の自由とは精神の中にこそ存在するもののような気がします。
本当は社会的柵によって不自由にさせられている訳でなくて、人間として生きる上で抱えてゆかざるを得ないように思える葛藤すらも、個人的な解釈によって自由自在に扱える性質のものであるというのがたぶん本当のような気がします。
音楽表現の素晴らしさは、思想を波長にして電波を飛ばすように他者に伝達してしまえる所にあるような気がします。
宗教的な争いが起こり難い理由が、きっとそこにあります。
思想を言葉にすると観念的なあらゆる他者からの解釈が生まれ、真意にそぐわず生まれる誤解があったり、なかなか物事の核心を正確に捉えて伝達することは難しいなと感じています。
音楽は波長ですから、どんな表現よりも物事の本質的な部分を伝達し易いなと感じます。
フレンチトーストライブはとにかく自然体で楽しくやって行こうと思っています。
社会的な価値に自分を合わせて行くのではなくて、自然体で生きる自分の在り方そのもので音楽を奏でていられたならば、こんなにミュージシャンとして幸せなことはないのではないかなと思っています。
時代によって変えられるべきではない人の心の感受性があるような気がします。
そういった思いを言葉にすれば、まるで全てが嘘のように思えるような過酷な生存競争が存在していることもまた事実なのでしょう。
そこにこそ人のこの世での生きる葛藤があるのではないかなと思っています。
過酷な生存競争によって強いられるような規範の枠を脱して、魂を愛の状態に導く光として音楽にこの身を捧げ仕えたいという願いが僕の根本的な欲求です。
余り多くを語らず黙して歌うことで、音楽が純粋に皆様の心に届いてくれたならば、僕にとってこんなに素晴らしいことはありません。
その為にステージを洗練して行くことこそが、僕の人生の今の課題である気がします。
ひかる君との街のライブハウスでの初ステージを終えてみて、様々に自分の音楽についての思いが心の中を駆け巡っています。
瞳を輝かせた17歳の少年ドラマー。
そんな彼に出会えて本当に嬉しいです。
ひかる君とのライブハウス初ステージを振り返りながら、徒然なるままに今の心境について思いを綴ってみました。
映像の方は、ライブを聴きに来て下さった方が撮影したものが頂ける可能性があるので、もし頂くことが出来たらまたYouTubeにアップして紹介するかもしれません。
写真はミュージックファクトリーのオーナーさんが撮って下さいました。
ありがとうございます。
時間がなくて僕達は、ブッキングライブ一番手でのフレンチトーストライブが終わり間もなく帰らせて頂きましたが、その他のバンドの皆さんのライブが続けられました。
SOUND FACEと名付けられたライブを終えて、心おもむくままに綴ってみたこの思いを胸に、僕はもう次のステージに向かい歩き始めています。
ミュージックファクトリーのスタッフの皆さんや各バンドの皆さん。
ライブに関わって下さった皆様。
どうもありがとうございました。
SOUND FACE 2019.2.9
演奏曲
1 AFTERNOON LIVE
2 〜ドラムソロ〜
3 〜ナレーション〜
フレンチトースト
4 CHALLENGE
5 素晴らしき人生を